ISO9001-HACCP(ハセップ)取得
審査合格、認証登録
安堂畜産では、全国で始めて肥育から小売までのすべての工程に、ISO9001-HACCPのシステムを導入し、認証取得しました。これまで以上に安心・安全を、お客様にお届けする事が出来るようになりました。
ISO9001(International Organization for Standardization)とは
もともとはアメリカの軍需産業の中の規格として考えられたもので、製品の規格ではなく、会社として、品質を保証する為の手順や文書・等を定める規格です。
この規格で要求されるのは会社運営の世界標準基本システムです。
お客様のニーズに基づいた会社方針と目標に向かって、組織の全ての部署、人員が明文化されたこのシステムに従って行動する事が求めらます。そして第三者機関により適正に業務が行われているか、定期的にチェックがあります。
こうした厳しさからこのシステム(規格)は「品質マネジメントシステムの国際規格」と呼ばれています。
登録証番号 | JQA-QMA12792 |
登録時業者 | 安堂畜産株式会社 |
登録活動範囲 | 牛部分肉、牛副産物可食部。 精肉(牛肉、豚肉、鶏肉)及び食肉加工製品の設計・開発、及び店舗販売。 |
関連事業所 | ・周東食肉流通センター(安堂畜産株式会社 部分肉製造課) 山口県岩国市周東町用田353-1 [肉牛(皇牛及び高森牛)の部分肉製造] |
・プロセスセンター(安堂畜産株式会社 精肉製造課) 山口県岩国市周東町上久原298-1 [肉牛(皇牛、高森牛及び国産牛)の精肉、豚肉及び鶏肉の精肉 並びに食肉加工製品の設計・開発、製造及び販売] |
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・肉のこーべや 玖珂店(安堂畜産株式会社 直営店) 山口県岩国市玖珂町玉の木5036-1 [精肉(牛肉、豚肉及び鶏肉)、食肉加工製品の製造及び販売] |
HACCP(ハセップ)とは
Hazard Analysis and Critical Control Point の略で「危害分析重要管理点」と訳される。
アメリカのNASAが企業と共同で1976年に開発したもので、宇宙食の安全性を徹底的に追及する為の食品製造管理の手法。
ハセップの衛生管理システムの特徴は
1.原料の入荷から製造・出荷まで全ての工程において前もって危害を予測。
2.その危害を防止するための対策、方法を決定。
3.その対策、方法が常に機能しているかどうか監視。
4.異常が発見されたら即座に対処する。
この過程はすべて記録し保管されますので、従来の方法に比べ、徹底した衛生管理です。
証明証番号 | JQA-HA0056 |
適合時業者 | 安堂畜産株式会社 |
適合活動範囲 | 牛部分肉、牛副産物可食部。 精肉(牛肉、豚肉、鶏肉)及び食肉加工製品の設計・開発、及び店舗販売。 |
関連事業所 | ・周東食肉流通センター(安堂畜産株式会社 部分肉製造課) 山口県岩国市周東町用田353-1 [肉牛(皇牛及び高森牛)の部分肉製造] |
・プロセスセンター(安堂畜産株式会社 精肉製造課) 山口県岩国市周東町上久原298-1 [肉牛(皇牛、高森牛及び国産牛)の精肉、豚肉及び鶏肉の精肉 並びに食肉加工製品の設計・開発、製造及び販売] |
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・肉のこーべや 玖珂店(安堂畜産株式会社 直営店) 山口県岩国市玖珂町玉の木5036-1 [精肉(牛肉、豚肉及び鶏肉)、食肉加工製品の製造及び販売] |
認証までの道のり
辞令
ある日、社長は息子の専務を呼んでこう告げた。
「ハセップ(HACCP)取得のため、これからは専務が担当になって、早期取得を実現してくれ」
専務は、食品スーパー サミットを退職し、父が経営する安堂畜産に入社したばかり。その専務にハセップ取得の担当になれと言う。
ハセップとは、食品加工の衛生上、重要な加工工程を特定し、これの安全性をテックする食品衛生のための仕組み。あのNASAで宇宙飛行士の食事を管理するために開発された厳しい基準である。その承認を受けるためには、食肉加工の全ての過程を詳細に知り、膨大な量のマニュアルを作成し、実際に加工した食品が厳しい菌数制限にパスすることが要求される。
しかも、牧場から小売までを一貫する安堂畜産のこと、肥育から販売までの全工程が対象になる。それは、日本の食肉業界では、前例のないことだった。
「これは大変だ」と専務は思った。入社して日の経たない自分に、その大役がまわってくるなんて。
社長は言う。
「専門のコンサルタントが、もう1年以上、動いてくれているから、大丈夫!それに、会社全体を知るのにもちょうどいいじゃないか」
話が違う!
いくつもの会社にハセップ(HACCP)を取らせてきたコンサルタントと共に、衛生管理のためのマニュアルが、約1年かけて作られていた。今日は、そのマニュアルを現場で検証することになっている。うまくいけば、調整を加えて、数ヵ月後に、ハセップ(HACCP)の認証取得ができるはずだ。
現場でのマニュアルの運用検査が始まった。コンサルタントの落ち着いた振る舞い。
しかし、徐々にその落ち着きは消え、慌しい動きに変わった。汗を拭くコンサルタント。ただ横で見ていただけの専務にも、マズイ何かを感じた。
「これじゃあ使えないなあ」と、現場のリーダーが声をあげた。
いくつかの食品製造業者でハセップ(HACCP)取得を叶えてきたコンサルタント。持参してきたマニュアルは、いままでの経験の集大成だった。
しかし、安堂畜産の現場には合わないところが多かった。会社の実態にそくしていなかったのだ。
専務は愕然とした。「話がちがうじゃないか!」と心で叫んだ。
地道な作業の連続
コンサルタントの指導を得ながら、一から現場の実態を調べ直して、マニュアルを作り直す作業が始まった。 マニュアルを直して、運用試験をして、それによって加工した商品を、兵庫県の臨床検査センターに送り、検査を待つ。これを繰り返す他に、ハセップ(HACCP)の厳しい基準を満たすマニュアルは作れない。しかも、生肉を扱う工程だ。商品の中には「牛のたたき」等、クリアすべき基準値の高いものも含まれている。基準となる菌数レベルを、いかにしてクリアしながら販売までもっていくのか?専務の葛藤が始まった。
日中はポイントとなる工程の一つ一つに衛生管理のための工夫を凝らし、夜には、それを膨大なページ数のマニュアルに書き加えてゆく。そんな毎日が永遠に続くように思われた。
難問
どうしても厳しい基準を乗り越えることのできない工程が見つかった。それは、食肉解体場での食肉の殺菌。新たに莫大な投資をすれば、それは解決するかもしれない。
だが、そんな時間の余裕もなかった。一般に食品加工の現場で殺菌に使われるのは塩素だ。そして、その塩素を大量の水で洗い流す必要がある。しかし、きれいに洗っても、塩素の匂いはとれない。専務は頭を抱えてしまった。
他の問題はなんとか解決してきた。きっと何か策があるはず。専務は医療現場で開発されたある技術に出会った。それは、殺菌水。肺炎を引き起こすMRSAに対処するために、病院で使われているものを応用し、食品用に開発された新技術で、食品添加物として認可されている。しかも、肉などの有機物に触れると分解して消えてしまう。雑菌を消し、自らも消滅するという、まさしく魔法の水。これを工程の中で食肉に浴びせることにした。食品としての肉への影響は全くなく、菌数もハセップ(HACCP)の厳しい基準をクリアする結果を得た。
「これでいける!」専務はその夜、祝杯をあげた。
緊張の審査
マニュアルが完成した。今度は現場にそくし、加工を経た商品は厳しい基準値をクリアしていた。専務が社長から担当を命じられて、既に1年が過ぎようとしている。
認証を受けられるかどうかを審査する日、東京から審査官がやってきた。現場のスタッフに、このマニュアルが徹底してあるのかどうか、抜き打ちで質問が浴びせられ、スタッフはそれに的確に答えていく。専務もスタッフも、落ち着き払っていた。
安堂畜産は、一度の審査で認定にパスした。
今、ISOとハセップ(HACCP)は安堂畜産の安全な食肉加工を支えている。しかも、宇宙食に施される厳しい基準をも満たしている。これを継続し、受け継ぐために、マニュアルは社員教育にも活用され、日々、書き加えられ、進化を遂げる。
右も左もわからなかった専務も今、全ての現場の実態を把握し、社長の片腕として、相変わらず忙しい毎日だ。
でも、「ハセップ(HACCP)認証のあの作業をもう一度やれ、と言われたら・・・もうかんべんです」と笑った。