農場HACCP(ハサップ)取得

山口県で初の農場HACCP認証取得

農業生産法人 高森肉牛ファーム(安堂グループ)は、2020年2月28日、山口県初の牛(肉牛)農場HACCPを取得認証しました。

牛肉の食品加工を行う安堂畜産株式会社では「ISO22000」をすでに取得認証していました。
この度、牧場である高森肉牛ファームで「農場HACCP」を取得することにより、繁殖・肥育、加工・販売まで一貫した工程でのHACCP取得認証となりました。

牛(肉用)認証農場は中国で3番目、山口県では初の認証農場となります。

農場HACCPとは

農林水産省が畜産物の安全確保の観点から推進しているシステムで、畜産農場におけるHACCPの考え方を取り入れた手法です。
家畜の所有者自らが有害物質の残留等の危害や、生産物の温度管理等の重要管理点を設定し、継続的に記録・管理を行います。それにより生産農場段階での危害要因をコントロールする飼養衛生管理方法です。

認証取得までの道のり

安堂畜産は、2011年に「ISO9000-HACCP」を認証取得(現在は「ISO22000」を取得認証しています)。それに合わせて、繁殖場と肥育場でもHACCPの取得を目指していました。
しかし、スタッフの入れ替わりもあり、なかなか思うように進みませでした。途中まで作成した手順書が残り、8年が過ぎようとしていました。

東京オリンピック開催を控えた2020年。国内外に日本の徹底した衛生管理を示すため、2020年5月までに、食品の製造・加工・調理・販売などを行う全事業者に対してHACCP取得認証の義務化が発表されました。このことを受け、牧場での再度HACCPの取得認証へ動き始めたのでした。

今回は牧場スタッフでHACCPチームを結成。まず牛の繁殖や入荷、肥育そして出荷までのフロー図を作成。その中の作業ごとに「どういった危害があるのか」「危害に対してどのような対処をするのか」などを細かく書き出しました。「なによりもそれが一番大変だった」と、坪谷場長は苦笑いします。
各作業の流れや対処方法は、これまでの経験により身についていました。しかしそれを新人スタッフでもわかるように手順書として文書にまとめることが一番の難門でした。

その後も山口県家畜保健所の方にもご協力をいただき、何度も手順書を書き直す毎日。審査当日まで書類の作成をしていました。
「1~2年かけて取得を目指そう」。そう言って始まった今回の農場HACCP取得認証。2019年夏から動き始め、翌年の2月には取得認証を実現。わずか半年間のスピード取得でした。

農場HACCPを取得したことで、高森肉牛ファームで生産される肉牛は、外部の第三者に安全性を認められたことになります。
しかし「農場HACCPを取得したことで終わりではない」と場長はいいます。認められた安全性を保つための「計画」「実行」「確認」「改善」を繰り返していかなければいけません。
これからも山口県産「皇牛」「高森牛」を安心して食べていただけるように、食の安全の追及は続きます。