究極の牛ずくしラーメンを求めて、牛のチャーシューも自作!

昨年(2022)6月に牛テールを使った料理に挑戦しています。今回は2度目。なぜかというと、前回の牛テール・ラーメン作りに納得していないからです。
「スープはもっと濃厚で臭みのないものが作れるはず、もっと白くなるはず」とか、
「ラーメンに載せるテール肉にも味を付けると良かったのでは?」とか、
「どうせなら、牛肉のチャーシューも!」など。
そこで、究極の牛テール・ラーメン作りに挑戦しました。果たして結果は?

血抜きが大事


今回、調達したのは、安堂畜産直営「肉のこーべや玖珂店」の国産牛テール(冷凍)です。合わせて約2.7kg。後で思ったのですが、ラーメンで2~3人前くらいの濃厚なスープをたっぷりとるなら、4kgくらい。多めに仕入れた方が良さそうです。


前回、どうも臭みが抜けてないと思った原因の一つに、「血抜きが不十分」があります。だから、肉を水につけて1時間程度、血を抜いて、さらに水を替えて1時間、行いました。手間がかかっているようですが、ただ水に浸しておくだけなので、仕事の合間にやりました。
水温は牛の体温と同じ40度弱がいいと、後で知ったのですが…。


さらに、しつこく残っている血を抜くために、指で肉を絞るようにして…。太い血管が1本通っているので、特にここの血をキレイに絞りました。


そして、たっぷりのお湯でボイルして、灰汁を出して、お湯ごと捨てます。ここまでが下処理です。


次に、たっぷりの水を入れて、臭みとりのネギ、生姜も投入し、フタをして煮込み始めました。前回は2時間半だったので、今回は3時間半じっくりと。しかも、少し強めの火で肉が踊るようにぐつぐつやりました。あるネットの情報では、肉が踊ると肉同士がぶつかって、骨のなかのエキスがスープに出て来るのだとか。もしやこれが、スープを白濁させる一手ではないかと思ったのです。火が強いから、煮汁も早くなくなるので、水はたっぷりです。
さすがに火から離れるのは、ためらわれたので、キッチンにパソコンを持ち込んで、仕事をしながらの長丁場です。途中、余分な脂も除きました。

一晩おいて、余分な脂を除く

前回はスープを採った後、すぐに料理を仕上げたのですが、今回は一晩おくことにしました。その方が、味がなじむし、余分な脂を除きやすいとのことです。


一晩明けて、鍋のフタを取って驚きました。白い脂が、まるでスープをカバーするように膜になって固まっていたのです。この白い脂を除くことによって、スープはさらに食べやすくて美味しいものになると、ネットで見た動画の先生が語っていました。

コムタン・スープにしてみる

出汁の実力は如何に!というわけで、まずはスープを作ってみました。
コムタンの「コム」は長時間かけて煮だすという意味で、「タン」はスープという意味。本場では牛の肉や内臓を長時間煮込んで作るそうです。
今回は、牛テールだけのコムタン。実は、前回作った牛テール・スープと同じことなのですが、今回はスープが少しだけ本格的で白く濁っているので、より本場のコムタンに近いという、記者の希望の現れです。


スープに少し酒を入れ、すりおろしたニンニクを加えて、塩・コショウで味を調えました。前回よりも白く濁ったスープが、コムタンらしい見た目です。

お味はというと、前回よりも臭みのないスッキリした味わいに感じます。鷹の爪で辛味も加わって、寒い冬にはうってつけのスープになりました。
でも、やはり前回と比べて、劇的な違いはありません。何か足らないような感じが拭えないのでした。

ラーメンといえば、チャーシュー

ラーメンにはチャーシューが付き物ということで、牛肉のチャーシュー作りにも挑戦しました。


安堂畜産直営の「肉のこーべや玖珂店」で国産牛モモブロックを購入。グラム当たりが安いので、これで牛のタタキやローストビーフをよく作りますが、チャーシュー作りは初めて。ネットで色々と作り方を検索して、簡単ながら本格的なものを目指しました。

フライパンに油をしいて強めの火で肉の表面に焦げ目を付けます。そして、鍋に移すと、しょうゆ180cc、みりん90cc、水180cc、ハチミツ大さじ2、そして生姜とニンニクのすりおろし、ネギを投入。20分くらい煮込みました。


その後、アルミ箔で煮汁と肉にフタをして、その上に鍋のフタをします。後は、余熱を利用して、2時間くらい。そのとき、保温のために鍋の周りにタオルを巻きました。


仕上ったチャーシューは肉に味が十分に染みていて、これ単品で酒の肴になりますね。
そして、残った煮汁をみて、思いつきました。
「これを、ラーメンの味付けに使おう!」

いざ、ラーメンを!

2日がかりで丁寧に作った牛テールのスープをベースにして、味りんを少々、さらにすりおろしたニンニクを投入して煮ました。そして、チャーシューの煮汁と塩・コショウで味を調えます。
今回は具にするテール肉にも味を付けました。スープをとった後の肉は柔らかくて直ぐに骨から離れます。しかし、それだけをラーメンに載せても、味が薄くてもの足りません。
そこで、フライパンで、やはりチャーシューの煮汁をたらして、香ばしく焼きました。
こうして完成したのが、このラーメンです。


どうでしょう。がんばり過ぎて麺が具に隠れています。テール肉、牛肉チャーシュー、もやし、しめじ、ネギ。早く食べたくて、撮影もそこそこに実食しました。

牛テール・スープにチャーシューの煮汁がアクセントになって、一口で、「ああ、ラーメンだ!」という味わいになりました。テール肉にもしっかり味が付いていて、美味です。さらに牛のチャーシューも味わえば、まさに牛づくしのラーメンになったのでした。

10年に一度と言われる寒波の日、窓の外はあっと言う間に雪景色。そんななか、熱々の牛づくしラーメンをいただき、至福の時を過ごしたのでした。
2度目の挑戦はなんとか成功したような気がしています。ただ、チャーシューの煮汁に助けられた気もします。美味しい牛テールのスープ作りは、なかなか奥が深いというのが正直な感想です。
あるお店では、牛テールでコムタム・スープをつくるときのスープ作りには、15時間くらい煮出すとありました。もはや、その店に行くしか、食べる方法はありませんね。

では、未知なる部位と料理を求めて、牛肉珍味の旅は続きます。